平成2022年1月7日
新年のご挨拶
研究所長 小林 哲郎
明けましておめでとうございます。日頃よりご支援いただいております皆様ならびに虎の門病院の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。この時点で新型コロナウイルス感染の第6波がどうなるか分かりませんが、いずれにせよ平穏な日常が一日でも早くもどってもらいたいものです。そして、この年が明るく実りあるものになることを念じ、皆様方の一層のご発展をお祈り申し上げます。
当研究所は1973年、虎の門病院第二代院長の冲中重雄先生の「病める者の立場に常に立ち、最善で最新の医療を提供したい」という熱い思いによってこの地に設立され、本年で49年目を迎えます。設立以来、虎の門病院と緊密な関係を保ちながら、臨床の場で生じた医学的課題について掘り下げて研究し、さらには独自の基礎的な研究も加えて活動してきました。そして、これらの研究成果は虎の門病院における医療レベルの向上に大きく貢献してきました。2011年4月には、内閣府を所管とする公益財団法人として新たな一歩を踏み出し、現在は全国的にも広く研究助成支援もおこなうなど、医学・医療界に広く貢献しつつあります。今後も研究所の更なる発展を目指して、患者様の治療に役立つ研究ができるように所員一同、尚一層努力していきたいと念じております。
最後に、当研究所にこれまで寄せられましたご支援の数々を感謝申し上げるとともに、各方面の皆様方のさらなるご理解とご援助をお願い申し上げまして新年のご挨拶とさせて頂きます。
2022年度 研究助成(下期募集分)の決定
冲中記念成人病研究所 助成事業として公募しておりました研究助成の申請が、今回は71機関104件ありました。うち研究課題等審査をした結果、次の11件に助成することが決定しました。
相澤 健一
自治医科大学
多元的質量分析による心血管疾患の高精度予測マーカー開発とプレシジョン医療応用
小川 純人
東京大学大学院
男性ホルモンを介した骨格筋・骨代謝作用と筋骨連関の病態解明
小幡 裕希
国立がん研究センター研究所
消化管間質腫瘍(GIST)のゴルジ体に潜んでシグナル発信する KIT チロシンキナーゼ
~局在異常の分子メカニズムの解明、その理解に基づく新規阻害戦術~
川浪 大治
福岡大学
糖尿病性腎臓病発症・進展におけるリン代謝の意義
小林 篤史
北海道大学大学院
認知症におけるミスフォールド蛋白産生メカニズムの解明
龍田 美和
国家公務員共済組合連合会高松病院
NAFLD/MAFLD とサルコペニアとの関連性について -人間ドック多数例の解析から-
仁科 隆史
東邦大学
大腸がん関連間質繊維芽細胞を標的とする大腸がん新規治療法の開発
松本 紘太郎
慶應義塾大学
血管炎症の定量化を指向した希少膠原病横断的マルチオミックス解析
茂久田 翔
広島大学病院
炎症性サイトカインによる宿主受容体制御を介した新型コロナウイルス治療薬の開発
森田 剣
東京大学医学部附属病院
非古典的脱リン酸化酵素 INTAC 複合体に対する活性化薬の探索
山下 直也
神奈川工科大学
Sema3A をターゲットとした新規アルツハイマー病診断法の確立とその治療法への応用
遺伝子組換え生物等安全委員会の開催の中止
2022年度の研究計画で「遺伝子組換え生物等の使用等の実験計画」に該当する
研究についての掲題委員会による審査は、来る1月12(水)予定しておりましたが、該当する研究がないため、委員会開催は中止といたします。
理事会・評議員会の開催日程
主に2022年度予算に関する審議を行うため、理事会・評議員会を下記の日程で開催いたします。
理事会
評議員会
寄付ご芳名
研究所ニュース474以後、下記の方よりご寄付がありました。
河野 光雄 様 |
貴重なご寄付につきましては、ご芳志に添うよう医学研究のため役立たせていただきます。誠にありがとうございました。
みなさまのご健勝、ご多幸を心からお祈り申し上げます。
当研究所は、第2代虎の門病院長、冲中重雄先生の文化勲章受章(昭和45年11月)を記念し、政・財界の支援を得て昭和48年5月設立いたしました。 虎の門病院と密接な関係のもと、成人病(生活習慣病)の臨床的及び基礎的研究を行っております。
研究実績を臨床の場に還元できますよう一層努力してまいる所存でございます。
今後とも皆様のご支援ご指導をよろしくお願い申し上げます。