平成2024年1月12日
新年のご挨拶
研究所長 小林 哲郎
明けましておめでとうございます。日頃よりご支援いただいております皆様ならびに虎の門病院の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。コロナ禍が下火になりつつあるこの年が明るく実りあるものになることを念じ、皆様方の一層のご発展をお祈り申し上げます。
当研究所は1973年、虎の門病院第二代院長の冲中重雄先生の「病める者の立場に常に立ち、最善で最新の医療を提供したい」という熱い思いによってこの地に設立され、本年で50年目を迎えます。設立以来、虎の門病院と緊密な関係を保ちながら、臨床の場で生じた医学的課題について掘り下げて研究し、さらには独自の基礎的な研究も加えて活動してきました。そして、これらの研究成果は虎の門病院における医療レベルの向上に大きく貢献してきました。2011年4月には、内閣府を所管とする公益財団法人として新たな一歩を踏み出し、現在は全国的にも広く研究助成支援もおこなうなど、医学・医療界に広く貢献しつつあります。今後も研究所の更なる発展を目指して、患者様の治療に役立つ研究ができるように所員一同、尚一層努力していきたいと念じております。
最後に、当研究所にこれまで寄せられましたご支援の数々を感謝申し上げるとともに、各方面の皆様方のさらなるご理解とご援助をお願い申し上げまして新年のご挨拶とさせて頂きます。
2024年度 研究助成(下期募集分)の決定
冲中記念成人病研究所 助成事業として公募しておりました研究助成の申請が、今回は57機関76件ありました。うち研究課題等審査をした結果、次の12件に助成することが決定しました。
生島 弘彬
東京大学医学部附属病院
ニューラルネットワークを組み込んだ肺癌単一細胞遺伝子発現データのメタ解析と機能解析
大澤 樹輝
東京大学医学部附属病院
救急集中治療領域における病態の異質性に基づいた個別化医療の実現手法の確立
岡田 啓
東京大学大学院
機械学習を用いた解釈可能で高精度な、脂肪肝の発症・寛解予測モデル作成
佐々木 和教
順天堂大学大学院
細胞極性から紐解く腎がんの進展メカニズムと新規治療薬への展開
新藤 隆行
信州大学
リバース Onco-Cardiology の展開による癌転移制御法の開発
髙士 祐一
福岡大学
健康寿命の延伸を目指した生体のリン感知機構の解明
頓宮 慶泰
東北大学
尿毒素フェニル硫酸の糖尿病性腎症におけるインスリン分泌促進機構、老化との関連検討
中田 雄一郎
千葉大学大学院
心臓マクロファージに刻まれた免疫記憶に着目した心不全に対する新規治療戦略の確立
藤田 幸
島根大学
筋委縮性側索硬化症の病態解明とその治療法開発
松田 烈士
関西医科大学
全身代謝を制御するアストロサイト神経連関の解明
升田 紫
東京大学医学部附属病院
魚油を用いて脊椎動物の成り立ちの一端を解明する
山崎 雄
広島大学大学院
「アポリポタンパクE アイソフォームの変換」を原理としたアルツハイマー病制圧戦略の探索
理事会・評議員会の開催日程
主に2024年度予算に関する審議を行うため、理事会・評議員会を下記の日程で開催いたします。
理事会
評議員会
寄付ご芳名
研究所ニュース490号以後、下記の方よりご寄付がありました。
梶山 祐美子 様 | 藤原 敏行 様 | 小関 健哲 様 |
貴重なご寄付につきましては、ご芳志に添うよう医学研究のため役立たせていただきます。誠にありがとうございました。
みなさまのご健勝、ご多幸を心からお祈り申し上げます。
当研究所は、第2代虎の門病院長、冲中重雄先生の文化勲章受章(昭和45年11月)を記念し、政・財界の支援を得て昭和48年5月設立いたしました。 虎の門病院と密接な関係のもと、成人病(生活習慣病)の臨床的及び基礎的研究を行っております。
研究実績を臨床の場に還元できますよう一層努力してまいる所存でございます。
今後とも皆様のご支援ご指導をよろしくお願い申し上げます。