今月の研究者

福原 紀章

福原 紀章

1) キャリアー
私は2003年に新潟大学医学部を卒業後、虎の門病院脳神経外科専修医として虎の門病院に入りました。当時、虎の門病院では臼井雅昭部長の血管障害を中心とした手術に加え、山田正三先生(間脳下垂体外科前部長)の下垂体手術の症例数が多く、それに携わるうちに興味を持ち、6年間の前期、後期研修を終了した後、すぐに2005年に設立された間脳下垂体外科へ移籍しました。以後は山田先生の下、下垂体腫瘍の臨床および研究を継続的に行ってまいりました。山田正三先生はトロント大学へ留学し、病理に関する研究を行っておられ、下垂体腫瘍における病理の大切さを教えて下さいました。そのため下垂体病理にも興味をもつことができ、病理診断科の井下尚子先生の下で病理に関する研究を始めました。

2) 研究分野
下垂体腫瘍の病理はトロント大学のKovacs先生により古くから分類が確立され、それに従って診断が行われていました。しかしながら、その分類は電子顕微鏡時代からの組織形態学による分類であり、現在下垂体腫瘍の臨床的な違いや、薬物反応性などがまだ十分に反映されていません。現在、免疫染色が発達した結果、同じ腫瘍においても様々な違いがわかるようになってきました。私自身は病理医ではありませんので、形態学的な診断よりは、組織所見と臨床所見との対比を重要視し、今後臨床的な所見を反映させた臨床病理学的な分類を提唱できるよう研究を進めてまいりたいと考えています。

3) 今後の抱負
下垂体腫瘍の病理に関してはこれまで長らく同じ分類が用いられていたため、新しい変化に対応できてないことも多くあります。虎の門病院は豊富な下垂体腫瘍症例があり、これからも西岡宏部長とともに下垂体腫瘍の臨床と研究を進めてまいりたいと存じます

発表・論文

4) 論文、受賞

Fukuhara N, Inoshita N, Yamaguchi-Okada M, Tatsushima K, Takeshita A, Ito J,Takeuchi Y, Yamada S, Nishioka H. Outcomes of three-Tesla magnetic resonance imaging for the identification of pituitary adenoma in patients with Cushing's disease. Endocr J. 2019 Mar 28;66(3):259-264.

Fukuhara N, Nishioka H, Yamada S. Acute Subdural Hematoma Immediately After Extended Transsphenoidal Surgery for Craniopharyngioma. Turk Neurosurg.2017;27(2):309-311.

Fukuhara N, Horiguchi K, Nishioka H, Suzuki H, Takeshita A, Takeuchi Y, Inoshita N, Yamada S. Short-term preoperative octreotide treatment for TSH-secreting pituitary adenoma. Endocr J. 2015;62(1):21-7.

アクロメガリーフォーラム奨励賞. 第6回アクロメガリーフォーラム, 2010.9.25

優秀症例研究賞. 第16回日本内分泌病理学会, 2012.10.11

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