今月の研究者

間野 かがり

間野 かがり

1)キャリア
2006年に東京大学情報理工学計数工学科を卒業後、病気に困る人に直接役に立てるような研究をしたいという気持ちから群馬大学医学部に編入学しました。2010年に医学部卒業後は、初期臨床研修医を経て、2012年東京大学医学部付属病院脳神経内科へ入局し、東京大学医学部附属病院、自治医科大学さいたま医療センター、NTT東日本関東病院で脳神経内科医としての臨床経験を積みました。その後、大学院へ進学し、岩田淳先生(当時東京大学脳神経内科准教授、現東京都健康長寿医療センター脳神経内科部長)のもとで、アルツハイマー病の基礎研究に従事する機会を頂きました。いわゆる「試験管を振る」実験に加えて、医学部入学以前に学んだ情報処理の経験を生かして、様々なゲノム情報を利用したデータの解析を行いました。大学院卒業後、虎の門病院脳神経内科にて臨床に携わらせて頂くとともに、日本学術振興会科学研究費助成事業からの助成を受けつつ、大学院からの研究を発展させるべく努力しております。

2)研究分野
認知症の予防及び進行抑制は、高齢化社会における重要な課題です。しかしながら、そもそも何故、認知症を発症するのかはわかっていません。加齢そのものも認知症発症リスクですが、年齢を経るとともに蓄積された様々な要素が発症に関与していると考えられ、それを明らかにしたいと考えました。具体的には、加齢や、アルツハイマー病の罹患に伴い蓄積されるエピゲノム情報を探索して、発症に関与した変化を探索しています。特に、アルツハイマー病は脳に生じる疾患ですので、研究協力・同意を頂いた患者さんの死後脳を使用させて頂き、エピゲノム情報の中でも、ヒストン修飾、クロマチン構造、ゲノム3次元構造、といった点に注目して解析を行っています。

3)今後の抱負
認知症は、記憶や自我が失われていく患者さん自身の苦痛であるとともに、周りで一緒に過ごす家族の精神的苦痛、介護による肉体的負担も大きく、ともに大きな社会的負担となっています。認知症診療において臨床と基礎は車の両輪であり、今後の認知症診療を改善させるためには密接な連携が不可欠です。適切な診断・治療、それを基礎研究に生かし、さらに臨床にフィードバックする、そのような相乗作用を目指し、臨床・基礎の両者の観点をもって今後も研究を続けていきたいと思います。

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