1) これまでのキャリア
私は1989年に千葉大学医学部を卒業後、同大学の放射線医学教室に入局しました。千葉大病院にて研修し、核医学を専攻して有水昇教授(当時)と2年上にいらした蓑島聡先生(現Utah大学放射線医学教授)にご指導を頂き、核医学の基礎を学ばせていただきました。その後心臓核医学を研究対象としたいと考えるようになり、勉強していた教科書の著者である村田啓先生が部長をしておられた虎の門病院放射線科の一員に加えていただきました。当時の心臓核医学は新しい放射性医薬品が次々と登場し隆盛を極めており、一つの学会で4~5題の演題を発表したこともありました。村田部長のご厚意で当時の東京都老人総合研究所(現、東京都健康長寿医療センター研究所)に開設されて間もないポジトロン医学研究施設の研究員として心臓PETの研究も行わせていただきました。肥大型心筋症における心筋代謝を11C-酢酸PET、18F-FDG心筋PET、123I-BMIPP心筋SPECTを用いて、酸素代謝、糖代謝、脂肪酸代謝の面から調べ、研究成果を米国核医学分子イメージング学会で発表したところ大会の最後に行われる恒例のハイライト講演でとりあげられたのは良い思い出です。関連した研究も含めて、第37回日本核医学会賞をいただくこともできました。
その後、厚労科研費の班研究でSPECTによる心筋血流および脳血流の定量評価法について研究し、J-ACCESS、JET studyなどの大規模多施設共同研究などにも参加させていただきました。これらの研究は現在の研究テーマにもつながっています。
2010年に前部長の岡崎篤先生の後を引き継いで放射線科の部長を拝命し、現在に至ります。
学会活動としては、日本心臓核医学会理事、日本核医学会評議員を務めています。第72回日本核医学会関東甲信越地方会(2010年)および第28回日本心臓核医学会総会・学術大会(2018年)の大会長も務めさせていただきました。
2) 研究分野
心臓核医学、心臓核医学および脳核医学における定量法
3) 今後の抱負
核医学の技術的な研究に加え、虎の門病院の豊富な症例を生かした臨床研究や、更には核医学治療に関する研究を行っていきたいと思っています。